溺甘系朧咲夜【完】
なんでだろうなー。
自分たちから暴露?している風なとこはないんだけど。それに三人ともお酒はザルだけど、好まないからそんな呑まないって言ってたし(いつ何が起こるかわからない職業柄、すぐ対応したいかららしい)、酔っぱらって言わされたとかもなさそうなんだけど。
「それはそっちもでしょ?」
と、降渡さんが半ば呆れた瞳でこちらを見て来る。
そっち、とは、私と笑満と頼のことだ。
うーん、否定出来ない。幼馴染の不思議で、なんとなく通じてしまうところってあるからなあ。
でも何でも筒抜けさんたちと違って、私たちは話さないとわからないこともある。
「絆さん、言いつけます?」
「……言いふらさないわよ。今更神宮をおとしめてもどうってこともないし、知られれば被害は咲桜にもあるでしょ」
ため息交じりに言われて、ほっと安堵した。
絆さんからバレる線はないと考えていたけど、やっぱり口止めはしておきたい。
絆さんと降渡さんを午後の私事に見送って、夕方、私たちもお仕事を終えた。
休憩室に置きっぱなしだったスマホを確認すると、在義父さんから仕事関係のおつかいが一件入っていた。
えーと、ふゆちゃんの上総警察署に寄って書類をもらっていけばいいかな。
なんて、軽く考えていた。
……私はそこで、たぶん見てはいけないものを見てしまったんだと思う……。