溺甘系朧咲夜【完】
十二月二十四日、日曜日の午後二時。
今、華取家の咲桜の部屋に二人でいる。休日だけど在義さんは本署で仕事中。
警察って特に年末は大変なんだよなー。
「先生! 出来ました!」
と、テキストを突き出して来た。
咲桜は、ちゃんとした説明を聞けば理解できる。だが、注意力が散漫なときに授業を聞いても、話は耳を素通りする。
午後の授業や、退屈だと感じる科目は特に。そういうごく一般的なタイプだ。
「ん。全部大丈夫。次進めるぞー」
「はいっ」
すごい気合の入り具合だな。それほど笑満と頼と一緒のところに行きたいのか。
俺自身、幼馴染?二人と大学まで同じところだったから、その気持ちもわからなくもないけど。
時計の針が三時を越えたのを見て、休憩にした。
一気に気が抜けてぐったりした咲桜を部屋に置いて、勝手知ったる華取家のキッチンを勝手に使わせてもらう。
甘いの飲ませてやろう。
――っと、これはどうするかなー。