溺甘系朧咲夜【完】
side咲桜
先生を見送ってから、在義父さんから今日は帰れないと連絡があった。
七時頃に一人で軽くご飯を済ませて、お風呂も入っちゃって、勉強再開。
先生がプレゼントにくれた新しいCDをウォークマンに落として、お風呂の中で防水スピーカーを使って聴いていた。
気に入った三曲目をリピートにして、自分の部屋の勉強机。
先生が一年教えてくれて、成績は格段にあがった。
でも、合格に確実はない。
先生に言われた通り時々休憩を入れながら、気づけば十一時半。
今日はやたら先生がちゃんと寝ろって言っていたなーと伸びをする。
んー、先生があんだけ言うんだから、やっぱり睡眠も大事なんだ。
眠くなったらすぐ寝られるようにしておこうと布団を整えようとして――不自然な形の枕に目が止まった。
あれ? 昨夜、本でもはさんで寝ちゃったっけ?
そう思って枕をどけてみると、そこには可愛くラッピングされた四角い小箱が置いてあった。
……逆泥棒⁉
いや、違うか。なんだよ逆泥棒って。
でも、自分でこんなものを買った覚えはない。
ちょっと用心しながら箱を手に取ると、するっと小さな紙が布団の上に滑り落ちた。
それを手に取って、私の思考回路は一瞬停止してしまった。