溺甘系朧咲夜【完】


『咲桜へ。こっちが本当のプレゼント。今までがんばったご褒美。藤城なら学内でもこういうの大丈夫だから、頑張れよ?』


――――がんばります! って言うか頑張るしかない!


勉強机に飛び戻りかけて、はたと止まる。藤城でも大丈夫なものってなんだろう?


ラミネートしてから手帳に挟むのを決定したメッセージカードをそっと机に置いて、ドキドキしながらリボンを解く。


このリボンもペンケースのファスナートップに結んでおこう。


ドキドキしながら開けた中身に、私は目が点になった。


え、これ、先生が選んでくれたの……?


だってそこにあったのは、可愛らしいけどどこか大人っぽいシルエットの、お花と三日月のチャームが並んだネックレス。


お花は花弁が五枚で、形からして桜っぽく見える……。


か、可愛すぎる! これ、ほんとに私が受け取っちゃっていいのかなっ⁉


ドキドキがドクドクと心音の激しさを増して、頭が爆発しそうになった。


頭は冷静にしておけって言われてるけど、原因が言った人だか責任を取ってもらいたいくらいだ。


……絶対、合格する。

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