溺甘系朧咲夜【完】
「な、殴られて高笑いするの? え、Мな人……?」
笑満が困惑の声を出す。
「そしたら次に、金髪美人さんの後ろ襟首摑んで、ひきずりながら階段の方へ歩いて行ったの。若干首、締まってたと思う」
「流夜さんてそんなことするタイプだっけ? あの人が怒るのも見たことないけど」
頼の言葉に、私も肯く。
「見たことない。流夜くんが怒るとか、喧嘩するとか……。関係性がわからなすぎて、割り込んで修羅場にすることも出来なかった」
「わからなすぎるね……」
笑満が同意してくれたけど、ふと、隣の頼が「あ」と声をあげた。
「それってあれじゃね? 今噂になってるヤツ。流夜さんに見合いの話が来てるってヤツ。その相手とか?」