溺甘系朧咲夜【完】


「……みあい?」


……それってなんだっけ?


首を傾げると、頼とは反対隣りの笑満が「咲桜、今流夜さんに盲目モードだからねー」とか言った。


「学内で噂になってるよ。流夜さんにお見合いの話を、理事長が持ちかけたって」


「権力⁉」


「うん、落ち着いて。ツッコむべきはそこじゃない気がする」


笑満にいさめられた。


「理事長に縁のあるどっかのお嬢様が、流夜さんのこと気に入ってお見合いさせてほしいって言ったって」


「そうなの⁉ 知らなかった……」


「流夜さんから聞いてないの?」


「うん……」


そんな話、全然……。


学内で噂になってるのを知らなかったのもどうかと思うけど、自分。


「じゃあ仮設①が成り立つ」


と、頼が人差し指を立てた。


「なんて?」


笑満が応答すると、頼は話し出した。

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