甘くて、苦くて

大学の講義室で高校から仲の良い友達を探した。

『さっくら、おはよ!聞いてよ!』

「若菜おはよー、なに?」

『今日、夢に村井君が出てきたんだけど』

「村井君…って晴人か。懐かしいね。

卒業式の前日に別れたよね」

『うわー、思い出させないでよ。

そんで朝起きたら横にリュージュが寝てた』

「は?」

『みんなで飲んで雑魚寝してただけだよ』

「あー。てかリュージュとは何もないの?」

『ナイナイ、仲良い友達だよ。

桜は健斗君と相変わらず?』

「うん、相変わらずラブラブだよ」

『へー、羨ましいデスネ!』

「そういえば、

今度の土曜日サッカー部の同窓会あるって。

晴人もこっち帰ってくるらしいよ」

『ふーん、別にもうどうでもいいよ』

そう答えたけど、

私の心臓は少しドキドキした。

講義の内容なんか頭に入らなくて、

村井君のことを思い出していた。

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