甘くて、苦くて
両思いは難しくて
文化祭の2日目の朝は憂鬱だった。
村井君とも気まずいし、
学校に行きたくなかった。
村井君と顔を合わせたくなくて、
クラスの友達とずっと一緒にいた。
そんなときに、村井君からラインがきた。
学校にいるときにラインがくるのは初めてで、
【 いま視聴覚室に来れる? 】
そんなラインだったから、びっくりした。
ドキドキした。いま行く、と返して
すぐに視聴覚室に向かった。
ドアを開けると、村井君しかいなくて、
なんだか気まずくて、
緊張して、心臓がうるさかった。
「昨日の夜、電話できなくてごめん」
村井君も気まずそう。
『うぅん…大丈夫だよ』
「あの…あのさ…」
『うん…』
「松本さんて好きな人いるの?」
『えっ…』
予想していなかった質問に、戸惑った。
「俺、松本さんのこと好きです…
付き合いませんか?」
気まずそうに、恥ずかしそうに、
でも、私の目を見て村井君は言った。
『……えっ?』
「だめですか?」
『だめじゃないです…私も好きです』
夢かと思った。