STAR
もっちゃん
昨日から
連絡くれない。
いつの間に部屋を出ていったんだろう。
なんだか寂しくなってきた。
もしかしたら
私の事が嫌いになったかな。
呆れたかな。
急に不安になって悲しくなって、涙をポロポロこぼしていたら玄関が開く音がした。
「まだパジャマ?」
黒のジャケットを着たもっちゃんが、いきなり目の前に現れた。
「もっちゃーーーん!」
私は立ちあがってもっちゃんの胸に飛び込む。
「うわっ!どうした?」
「もう会えないと思った。私の事が嫌いになったと思ったよー。ごめんねーー!!」
涙が止まらない。
私は何度も何度も謝って
もっちゃんにしがみつく。
「何で?いや……あれからさ、もう一度あのケーキ屋さんに直行して、土下座でお願いしたんだ」
土下座?
さっきの妹の土下座を思い出す
流行ってるのか?
「そしたらさー」
もっちゃんは私の顔を大きな両手で挟み、いたずらっこのような笑みを浮かべた。
「『内緒で一つ作ります』って約束してくれた」
「クリスマスケーキの話?」
「それしかないだろ」
きゃー!嬉しいっ!
私は強く抱きつき彼の唇にキスをした。