好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
「あら、残念……
ほのか、昨日までこっちに居たんだけどねぇ。

昨日の夕方、ほのかのマネージャーと事務所の社長が迎えに来て、一緒に帰っちゃったわよ」

「そうですか……」

「私は反対したんだけどねぇ。
もうアイドルは辞めさせようと思ったの。

あの子、性格的に芸能人は向かないでしょ?
だから、私は最初から反対してたのよ。
だけど、あの子が絶対アイドルになりたいって言うからねぇ」

ほのかの母親は、よくしゃべる人だった。

いつ終わるかわからない話にどう突っ込んだらいいのかわからずに、俺は適当に相槌を打ちながら聞いていた。



「昨日来てくれたら、会えたんだけど……
ほのかに連絡しとこうか?」
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