好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
開場時刻よりずいぶん早めに到着したが、グッズ売り場には多くのファンが群がっていた。

こんなに早くこないと、売り切れてしまうものなのだろうか。

俺も慌ててグッズ売り場に近づいた。



メンバーの名前や顔写真が入ったグッズがたくさん並んでいるが、ライブ初心者の俺は何を買ったらいいのかよくわからない。

ライブといえば、ペンライトやタオルを振り回すものなのだろうか。

周りの客が何を買っているのかキョロキョロ見回していた。



やはりほのかは人気があるようだ。

あいつのグッズが次々と売れていく。

俺も負けじと売り場のスタッフに声をかけた。



「すみません、ほのかのタオルまだありますか」
< 178 / 210 >

この作品をシェア

pagetop