好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
「はい、こちらでよろしいですか?」

スタッフが差し出したタオルには、大きくあいつの名前が書かれていた。



これは、何のためにあるのだろう。

ステージに向かって広げて、誰推しかアピールするためなのか。



使い方はわからないが、俺はそのタオルとペンライトだけ買って会場をうろついていた。

たまにはほのかと同年代の女の子も見かけるが、圧倒的に男性が多かった。

女の子のアイドルグループは、みんなそんな感じなのだろう。

俺は周りの雰囲気に圧倒されながら、開場時刻を待っていた。
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