好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
開場時刻になり、俺はチケットを握りしめて中に入った。

ライブ会場は、独特の空気がある。



生の緊張感なのか、観客の熱気なのかわからないが、俺は不思議な空気が漂うなか自分の座席を探した。

念のため双眼鏡も持ってきたが、そんなものは要らないくらい前の席だった。



snow mistのセンターとしてのあいつのステージが見られる。

俺は期待と緊張で、落ち着いて座っていられなかった。



買ったばかりのペンライトを試しにつけてみたり、タオルを取り出して首にかけてみたり、一人でそわそわしながらステージが始まるのを待っていた。
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