好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
セーラー服を着て、背筋を伸ばして歩くあいつは、意思のある目をしていた。

弱虫のあいつではなく、snow mistのセンターとしてのあいつが歩いていた。



ステージの中央で、あいつが踊りだす。

客席からは、「ほのかー」と歓声が上がった。



あいつは、前を向いていた。

自分が進むべき道をしっかり見ている気がした。



20数名のメンバーを引き連れて先頭で踊るあいつには、力強さが感じられた。



それでも、やはり緊張しているのだろうか。

一生懸命踊っているあいつの表情は、少し硬い感じがした。
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