好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
授業の空き時間に、俺は大学の図書館で暇をつぶしていた。

大学の図書館には、週刊誌も何冊か置いてある。

俺は入り口近くのソファーに座って、snow mistの記事が載っている週刊誌を広げていた。



「蓮見君って、本当に一途だね……」

静かな図書館で、後ろから耳元でささやかれた俺は、驚いて振り返る。



「今も応援してるんでしょ、彼女のこと」

週刊誌をのぞきこむ笹川は、イタズラな瞳で笑っていた。

笹川も同じ高校から、この大学に進学した。

学部は違うが、何かと顔を合わせることは多かった。

俺は「そんなことねぇよ」とつぶやいて、週刊誌を閉じた。



「蓮見君にお願いがあるんだけど、ちょっといい?」

笹川は小声でそう言って、図書館の出口を指差した。

俺は週刊誌を元の場所に戻すと、笹川に続いて図書館を出た。
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