好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
「じゃあ……またね」

ほのかはどうして『またね』という言葉を選んだんだろう。

もう会えなくなるかもしれない。

彼女に応えて『またな』と言うべきか迷っているうちに、彼女は小さく手を振り背を向けて歩き始めた。



「……ほのか!」

俺の声に、あいつは足を止め振り返る。

あいつを行かせたくない。
このまま俺の気持ちをぶつけてしまおうか。

くりっとした大きな瞳が、まっすぐ俺に向けられる。

俺はぐっと拳を握りしめた。
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