好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
「ほのか、俺は……」

大きくまばたきした彼女の瞳から、涙がこぼれ落ちる。

彼女を引きとめてはいけない。

俺は言葉を飲み込んだ。



「ずっと……お前の味方だから」

彼女は全てを受けとめて小さくうなずく。



「じゃあな」

笑顔を作り出して、彼女に大きく手を振る。

遠ざかっていく彼女の背中に、俺は伝えられなかった言葉をつぶやいた。



俺はずっとお前のことが好きだった。

さよなら、ほのか……
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