好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
あいつのいない二学期が始まる。
俺はまだあいつがいなくなったという実感を持てずにいた。
夏休みが終わったらセーラー服を着たほのかが教室に入ってきて、『蒼、おはよー』と手を振ってくれるような気がしていた。
いつもあいつが座っていた俺の隣の席には、誰もいなかった。
朝登校するとあいつがいる訳もないのに、俺はあいつの席を確認してから自分の席についた。
「蓮見(ハスミ)君、おはよう」
俺に挨拶してきたのはあいつではなく、学級委員の笹川瑞穂(ササカワミズホ)だった。
「席がえのクジ引いてくれない?」
学級委員の彼女が自分で作ったであろう小さく折りたたまれた白い紙を一つつまみ上げた。
俺はまだあいつがいなくなったという実感を持てずにいた。
夏休みが終わったらセーラー服を着たほのかが教室に入ってきて、『蒼、おはよー』と手を振ってくれるような気がしていた。
いつもあいつが座っていた俺の隣の席には、誰もいなかった。
朝登校するとあいつがいる訳もないのに、俺はあいつの席を確認してから自分の席についた。
「蓮見(ハスミ)君、おはよう」
俺に挨拶してきたのはあいつではなく、学級委員の笹川瑞穂(ササカワミズホ)だった。
「席がえのクジ引いてくれない?」
学級委員の彼女が自分で作ったであろう小さく折りたたまれた白い紙を一つつまみ上げた。