好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
「笹川も大変だな」

俺は白い紙に書かれた数字を確認せずに、それを笹川に差し出した。

くじ引きの数字を見たところでどの席なのかよくわからないし、あいつがいなくなって俺はもう誰の隣になってもよかった。



「まぁ、これも仕事だしね」

笹川は、ほのかが座っていた俺の隣の席について白い紙を開く。

もう誰も使わない席に座るのは、彼女の自由だ。

ほのか以外の人間がそこに座るのに、俺は違和感を覚えてしまった。
< 28 / 210 >

この作品をシェア

pagetop