好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
俺は早朝の渋谷を一人で歩いていた。
夜行バスを使ったら、かなり朝早く到着してしまった。

普段着のジーンズにTシャツ、グレーのリュックに最低限の荷物だけ詰め込んできたが、俺の顔には田舎ものと書かれているだろうか。

適当に改札を出たら反対方向に出てしまったらしく大変な目にあってしまった。



これが噂のスクランブル交差点か……

信号を渡ってどっちの道に進めばいいのか、全くわからない。

キョロキョロ建物を見上げるのもおのぼりさんみたいでカッコ悪いし、俺はスマホに表示した地図で目的地を確認した。

都会の人間は歩くのが早い。

信号が変わると周りに置いていかれないように、俺も早足で進んだ。
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