好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
俺は夢を見ていたのだろうか。

俺の隣にいたあいつと、ステージで輝くセンターとしてのあいつ。

どちらが現実で、どちらが夢だったのか、よくわからなくなってしまった。



余韻に浸っていたいけれど、いつまでも夢を見ている訳にはいかない。

現実の世界では、高校受験が迫っていた。



あいつと一緒に志望していたN高校。

もうあいつと一緒に通うことはできないが、俺は志望校を変えずにいた。

もしかしたらアイドルとして売れなくなって、あいつはフラッと地元に帰ってくるかもしれない。

俺は淡い期待を抱きながら、受験勉強を続けていた。
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