好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
一階から階段を上る足音が聞こえる。
床の上の雑誌を全て拾う前に、母親はノックもせず俺の部屋のドアを開けた。
「散らかってるけど、ゆっくりしていってね」
「はい……お邪魔します」
俺の部屋が散らかってるのは、いつもアポなしに玄関のインターホンを鳴らすあいつと、俺に部屋に入ってもいいか確認せずに客を通す母親のせいだ。
俺はため息をついて、手に抱えている雑誌を本棚に突っ込んだ。
「ねぇ、蒼……この問題わかんないんだけどさ、教えてくれない?」
ほのかは肩にかけたトートバックから数学の問題集を取り出すと、薄ピンクの付箋が貼られたページを開く。
ベッドの前に置いてあるミニテーブルに問題集を広げた。
床の上の雑誌を全て拾う前に、母親はノックもせず俺の部屋のドアを開けた。
「散らかってるけど、ゆっくりしていってね」
「はい……お邪魔します」
俺の部屋が散らかってるのは、いつもアポなしに玄関のインターホンを鳴らすあいつと、俺に部屋に入ってもいいか確認せずに客を通す母親のせいだ。
俺はため息をついて、手に抱えている雑誌を本棚に突っ込んだ。
「ねぇ、蒼……この問題わかんないんだけどさ、教えてくれない?」
ほのかは肩にかけたトートバックから数学の問題集を取り出すと、薄ピンクの付箋が貼られたページを開く。
ベッドの前に置いてあるミニテーブルに問題集を広げた。