好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
向き合う俺達の間を遮って、新幹線のドアが閉まる。

ほのかは、車両のドアの透明なガラスに手をかけた。



新幹線が発車する。

窓越しに小さく手を振るあいつに、俺は大きく手を上げた。



あいつが乗った新幹線が見えなくなるまで、俺はホームで見送っていた。

新幹線が走り去ったホームを離れ、一人でショッピングモールに引き返す。



ショッピングモールのレストランをいろいろ調べたが、男一人でシャレたイタリアンやスイーツバイキングの店に入っても仕方がない。

俺は、まっすぐフードコートに向かった。
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