好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
ハンバーガーセットを注文して、俺は窓際の席に座った。

窓の外には、新幹線が発着する駅が見える。



ほのかが乗った新幹線は、今どの辺りだろう。

俺は別れ際にあいつが見せた不安そうな顔を思い出しながら、ハンバーガーにかぶりつく。



俺のスマホに、あいつからメッセージが届いた。

『この子がいるから、寂しくないよ』

そのメッセージには、ウサギを頬に寄せて上目遣いでカメラを見上げるほのかの写真が添えられていた。



あいつ、いつの間にこんなに自撮りが上手くなったんだ?

アイドルのブログでよく見かけるような実物以上に可愛く撮られた写真だった。
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