好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
「そんなことないと思うけど……
弓槻さん、蓮見君にだけは心開いてるように見えたし」

「……マジで?
幼なじみだから、他のやつより付き合い長いだけじゃね?」

「蓮見君って、意外と鈍感だね」

「どういう意味だよ……」

「女心全然わかってない」

俺を見上げてはっきりそう言った彼女は、大人の女性のように見えた。

確かに女心はわからないが、女どうしの笹川にはほのかの気持ちがわかるのだろうか。



「女心なんかわかるわけねぇだろ……
なんか教えてくれよ」
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