ドラマチックな恋は、突然に。
ーー家に帰ってくると、改めて大胆なことをしたように思えてきた。

だってあんなイケメンとお散歩とか……ああワンちゃんと一緒になんだよね。私ってば何を2人っきりでデートみたいに、盛り上がってるんだろう。

想像して、(え、デート?)と、ふと思った。

(……デートなわけないよね)

そう思うそばから、でもあれってある意味でナンパと同じだったような……なんて、勝手に気分が舞い上がっていく。

「……どうしよう、ちょっとって言うか、だいぶ嬉しくなってきちゃったかも」

交換したIDにさっそく送られてきた「よろしくお願いします」というメッセージを見ながら、

じわじわと湧く嬉しみをどうにも隠し切れない自分がいて、

なんだか私にもドラマが始まりそうな予感がして、久々に浮き立ってもくるみたいだった。


< 10 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop