ドラマチックな恋は、突然に。
「歩き回って、疲れてませんか?」

ベンチを見つけて、揃って腰を下ろした。

「いえ、たまには私も歩いた方がいいかなと思ってるんで」

応えると、ちょっと間をあけて、

「……でも散歩に付き合ってもらって、僕も嬉しく思ってるんです。一人だとちょっと寂しく感じる時もあったから」

光希くんが話した。

「うん、」と、頷いて、

「だけど私なんかじゃなくても、そういう候補なんていっぱいいそうだけど」

そう返して、むしろ引っ張りだこなんじゃないかと感じる。

「……そうでもないです。僕は意外と出不精だったりするから、あんまり人付き合いもなくて」

「そうは、あんまり見えないけど……?」訊き返すと、

「いいえ…」と、彼は首を軽く横に振って、

「僕は人見知りな方なんで……だから、あんなきっかけでもなければ、あなたにも声をかけられなかったですし…」

それから、照れたようにもうつむいた。

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