ドラマチックな恋は、突然に。
ドッグランに放してみると、予想外にもマロンちゃんは嬉しそうに駆け出していった。

「心配しなくてもよかったみたいですね。あんなにはしゃいで」

光希くんが走る姿を目で追いながら言う。

「うん、本当に。人見知りが克服できたのかな」

言うと、

「……僕も、」

彼が言って、

「僕も、少しだけ人見知りが克服できた気がします。あなたと出会えて」

そんな風にも続けられて、どう応えていいのかわからなくなる。

「……うん、よかった…」

それだけを口にして、彼の視線から目を逸らした。

……彼を、好きになったりしちゃいけない。

頭の中に、再びそのフレーズが警告のようにも浮かんだーー。


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