制服を着て、空を見上げて歩いた。
トワの日常


「いってきます」

その言葉は、魔の言葉。

玄関に立てかけてある4人で写ってる写真。
…また起こしてある。

私は毎朝一環の行為のように、その写真たてを伏せる。

ヘッドホンを頭にセットするとドアノブに手をかけた。







赤いチェックのリボンに同じ柄のスカート。
可愛いと評判のこの制服をみてため息を一つ漏らした。

あそこにはもう、行きたくない。



当たり前のように学校とは真反対に足を進める私を、第三者の目から映せば "社会不適合者"。

けれど、それは自分でも思うほどで。

シャカシャカと音漏れをするほど大音量で響くロックミュージックは唯一私が気持ちを紛らわせる事のできる材料。

< 1 / 28 >

この作品をシェア

pagetop