制服を着て、空を見上げて歩いた。
わたしのことなんて見向きもしないこの街が大嫌いなのに、
わたしを包み込むような明るさに目が眩んだ。
「ちっぽけだなあ」
由良にも見せてあげたい。
もうわたしはいいやって、由良も自由にしたいよねって。
出来もしない思考に包まれていく。
このままじゃ本当の偽善者だ。
「おい、そんな所で何してんだよ、不良娘」
不意に聞こえた低い声に体がピシャリと固まる。
幻聴まで聞こえるようになってしまった。ついに。
「おいガキ」
そう聞こえた2度目の声に、固まっていた体が金縛りから解けたように軽くなる。
私は後ろにすっと視線を流す。