制服を着て、空を見上げて歩いた。


「…亮」

彼の口から零れ落ちたその単語は私の絡まった頭の糸をさらに難しく絡める。

「は?」

「だから、俺の名前、亮っていうの。」

「ふうん」

そう言って背を向けると彼の口からはたくさんの悪口が放出される。

…しょうがないじゃん。

私の目には涙が溜まっていたから。

今にも零れ落ちそうな涙だったから。


『空が綺麗だよ、永和ちゃん』


あの時…リョウちゃんが言った言葉を思い出して。

あの時。あの時、あの時………

どうして私は


「おい」

いつのまにか目の前にいて目を見開いている目の前の彼に目を見開く。

「え?」

「なんで泣いて」

「亮、くん、はさ。」

私は昔から出来たうますぎる作り笑いを浮かべて問いかける。

「どうして街を見れるここが特等席なの?」

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