制服を着て、空を見上げて歩いた。


亮くんは私の隣に座って私と同じように街を見下ろしながら答える。

「大好きで、大嫌いだからだな」

途切れ途切れに答える彼の顔は私が街を見下ろした時に感じた感情そのものだった。

儚げで、切なくて、綺麗。

「俺、この街が大嫌いだった。大事なものは全部奪うのに……なのに、遠ざけたいものからは全て向き合わそうとする。」

息が、止まる。

それは私の心の内を話してるのではないかと錯覚するほどだった。

「でも遠目からみたらさ、実は人との繋がりが暖かかったりするんだ。…だから大好きで大嫌いな街。…そんなところを一望できると色んなこと考えられる気がしてさ」

「へえ」

息が詰まってそんな反応しか見せない私に冷めてんなあと彼は笑う。

それが少しおかしくてフッと笑った。

「俺も学校行ってねえけど、学習できるものは色々あるなって初めて知った」

「それ不登校が堂々と言えることじゃないよね」

「うるせー」

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