制服を着て、空を見上げて歩いた。
『はあ?どういう事だよ』
父のその言葉に頭がスーッと冷めていくのがわかった。
何も知らないくせに、何も知ろうとしてないくせに。
そんな感じたくもない憎しみが私の思考の半分以上を占めた。
「うるさい、いいからお兄ちゃんに聞いて」
私はそのまま通話を切ると彼の元へ戻った。
「大丈夫なの?」
「大したことない」
私はそう答えながら、今日のアテを探そうかなと何処へ向かうか考えていた。
その会話を最後に私たちはしばらくなにも話さないで、日が落ちるのを待って夜が来るのを待ちわびた。
「帰らないの?」
彼は私をまっすぐに見つめてそう話す。
「帰らないんじゃなくて帰れないの」
私も彼と同じように目を見て話す。