わたしは君を忘れない

『はは、警戒されちゃったか？』
『そうなこと、ないけど。』
『なぁ花瀬。俺お前と仲良くなれたって思ってもいい？』
なに、その質問。そんなの…
『当たり前じゃん！』
『はは、当たり前なんだ？』
『うん！』
だって、瀬戸くんが初めてなんだ。
もっと話したい知りたいって思ったのは。
でもなんでかな
"友達"に向ける感情とは違う感じがするんだ。
この感情に名前をつけるとしたらなんて付けるだろう
今のわたしにはまだ分からないみたい。
いつか分かるといいな。
瀬戸くんへ向けているこの感情の"正体"のこと。

『ありがとな、嬉しい』
ﾄﾞｷｯ
反則だよ…そんなかっこいい笑顔わたしに見せないで。
分かっちゃいそうで怖いんだこの感情の正体が。

『帰るか！』
『うんっ』
瀬戸くんとの初デート。
学生時代の思い出になるだろうな
大人になったらわたしと瀬戸くんの関係どうなっているんだろ。
まだまだ検討付かないや…。
未来も瀬戸くんと仲良しでいられたら
いいのになー…！
『今考え事してただろ』
『えへへ、バレた？』
『バレバレ』
『そんなに!?』
『そんなに。』
『えー』
『ははっ』
『あのね』
『うん』
『来年も瀬戸くんと一緒に入れたらなぁって考えてた！』
『…っ』
『瀬戸くん？』
どうしたんだろう？なんかわたし変なこと言ったかな？
『…そうだといいな。うん』
ｽﾞｷｯ
なんで…。なんでそんな辛そうな笑み浮かべるの。
瀬戸くん、君はなにに苦しんでるの？
ねぇ少しはわたしに分けてよ。
瀬戸くんの苦しみ貰うからさ
いつものかっこいい笑顔見せて…？
『俺、こっちだから。またな』
『うん！また明日！』

あぁ、気づいちゃった。
この感情の正体。
いつから？いつからこんなふうに瀬戸くんを見ていたの。
最初は、住む世界が違う人同士だと思ってた。
でも瀬戸くんと話してわかったの。
君がどうしてキラキラした世界に存在してるか。
それは、君が"優しくて思いやりがある人"だからだったんだね
わたしはそんな君を知ってどんどん惹かれていった。
ねぇ、わたし瀬戸くんに恋しちゃった。
どうしたらいい？君はわたしをどう思ってる？