想いの行方
職員室に戻り、仕事をしていても、斎藤将也先生のことを考えていた。

中学三年生の時しか知らないけれど、クラスの中では人気者でいつも楽しそうに笑っていた。文化祭、体育祭、マラソン大会、いつもクラスをまとめていた。
文化祭の準備で、ペンキを私がこぼした時も笑いながら、手伝ってくれたなって思い出した。あ、みきちゃんって、1番はじめは将也くんが言ったのかも？しれないなぁ。
他にもいろいろ失敗したなぁと自分の失敗ばかりを思いだし、こんな先生が指導なんて、斎藤先生は不安じゃないかな？心配になった。

「笠木先生、さっきから一人で百面相してて面白すぎるんだけど」と向かい側のデスクから、島田先生が笑っていた。

島田先生は、私の先輩。
しっかりしていて、とても頼りになる1番中の良い先生。プライベートでも一緒に過ごしている親友だった。

「見てたんですか。恥ずかしい！あ、今夜暇ですか？ゆっくり話したいです」

島田「もちろん暇ですよー」


じゃあ、いつもの店だねーって話した。

< 10 / 23 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop