想いの行方
校長室を後にして
7年前の記憶をたどっていた。


大学を卒業し、就職し

指導教諭は体育の松田先生で、
斎藤将也くんは、サッカー部だった。

私より、松田先生が指導教諭になるべきじゃないのかなって思ったけれど。
うちの学校のサッカー部っ、毎年全国大会に参加する’レベルだった。松田先生にはそんな時間はないなぁって勝手に納得していた。

職員室には戻らずにグランドへと足を向けた。

子ども達と一緒になり走っている斎藤将也くん
いや、斎藤先生を見つけて、昔よりも大きくなったなぁなんて、思っていた。


「笠木先生」と3月で卒業した中居くんが手を振っていた。可愛い私の教え子の姿を見て
私も手を振って応えた。
「こら、練習に集中する」
と顧問の松田先生の声が聞こえる。
中居くんが頭をかいて笑っていた。
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