【短】分かって気付いて傷付けて…
2.
空は、私の心をそっくり映し出したかのように、どんよりとしていて、季節はずれの生温い雨を降らせていた。
まだ、ホワイトデーさえも終わっていない、今日。
私はこの恋を諦め、捨てる。
もう泣かないように。
"私"じゃない"私"を演じて…。
キュッと握り締めた拳が小さく震える。
それに気付かないフリをして、あくまで冷静に…。
いつもなら、愛しい背中をぽん、と叩いた。
まだ、ホワイトデーさえも終わっていない、今日。
私はこの恋を諦め、捨てる。
もう泣かないように。
"私"じゃない"私"を演じて…。
キュッと握り締めた拳が小さく震える。
それに気付かないフリをして、あくまで冷静に…。
いつもなら、愛しい背中をぽん、と叩いた。