【短】分かって気付いて傷付けて…

なんだかんだと理由をつけては帰らなかった実家。
あれから3年が既に経っていた。
ほとぼりも冷めただろうと久しぶりに戻った家は何も変わらなくて、泣きたくなった。


「あぁ、私まだ何気に引き摺ってんのかな…」


軽く苦笑い。

この3年で、付き合った人がいなかったわけじゃない。
それなりに楽しかったし、幸せだった。
だけど、いつもどこかで比べてしまってた彼の存在。


「お前っていっつも俺以外見てるよな」


結局そうやって振られることもあった。
別れても尚、私の心を支配する彼の存在が最初はムカついたし、本当にイライラした。
だけれど、そんなことをしても何も変わらない。
そう悟ったのは20歳になったからかもしれない。