【短】分かって気付いて傷付けて…
ガランとした私の部屋には、彼のくれたプレゼントが僅かに残っていて。


「もう、お姉ちゃんに捨てといてって言ったのに…」


と、いつも学校帰りに行っていたゲームセンターで初めて取ってもらったネコのぬいぐるみをぎゅっと抱き締めた。



私の大切な日々。
大切な恋。
大切な人…。


あの日あんな風に突き放さなくても…なんて思ってしまうのは、大人になって少しだけ狡くなったからなのかしれない。

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