【短】分かって気付いて傷付けて…
夜になると必ず入る彼からのメッセージ。
それは他愛もない一言メッセージ。

私もそれに対して当たり障りない一言のみのメッセージで返信をする。


そんな毎日が続いた。
けれど、そんな日々は次第に自分の胸を締め付けることになる。


『やっぱり、好き、なんだ…』

精一杯の力で蓋をし続けた感情が溢れ出し、どうしようもなくなる。

だけど、あの時受けた恐怖がよみがえってしまう。


また、裏切られたら?
また、他の誰かに奪われたら…?

そんな事が起こったら、きっと。
私は深淵に沈んで二度と這い上がる事はないだろう。

それは真っ平だった。
それだけは、避けたかった。
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