【短】俺のモノになりなさい
その白い肌に沢山の証を散らして、俺だけのモノだと記憶に刻んで、雁字搦めにしてしまいたい。

この胸の中で、どちらの熱が分からなくなるまでぴたりと抱き締め合って、もう俺しか見られなくしてやりたい。

そんな思い出、胸が一杯になり気付けば、一生懸命煮魚をつついてる彼女を、じっと見つめていた。


「な、なんですか…?」

「いや?ゆっくり食えよ。まだまだ夜は長いからな」

「っ?!」

「何むせてるんだ。ほら水でも飲め」

「むぅ!子供扱い!」

「俺は、子供に告白する趣味はないぞ」


余裕を見せているようで、内心はガキみたいに、これからの展開をあれこれ模索している。
ベッドにいきなり連れ込むのもありか?
それとも………。


「千紘さん、なんか悪い事考えてますね?」 

「なんで?」

「人相が悪い…」

「あのな、そういうこと言う奴は優しくしてやんないよ?」


舌を出して、軽くそう言うと…何も言い返せないと悟ったのか、それ以上余計な事を言わずに、食事の時間は過ぎて行った…。


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