【短】俺のモノになりなさい
ピンク色に染まってしまったタクシーの中で、流石に運転手に悪いと思って、釣り銭はいらないとだけ告げて、彼女を連れ出す。

そこで、彼女は何を見付けたのかぽかんとしながら俺の顔を見た。


「ん?なんだ?」

「ここ…ホテル、ですか?」

「いや?俺の住んでるマンションだけど?」

「セレブ…」

「な、訳ないだろ。ほら入るぞ」

「は、はい…」


彼女の返事を殆ど待たずに、手をかざすとそのまエントランスに入った。


「魔法…?!」

「ばかだな。認証システムだよ。セキュリティ強化の為の」


その後も落ち着かないのか、あちこちキョロキョロしている彼女に苦笑しながら、部屋へと誘導する。

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