【短】俺のモノになりなさい
「…すき」

「もっと」

「すき…千紘さん…すき」

「あぁ…俺も好きだ…愛してる…」


その言葉と共にぐっと抱き締めて、ベッドに身を沈めると、彼女は泣き笑いみたいな顔で俺にしがみついてきた。


「すき…」

「悠衣……」



その後は、言葉なんていらなかった。
互いの吐息を、汗を交えて何度も何度も愛を紡ぐ。


時折、小さく名前を呼ばれると、即されたようにまぶたにキスをした。



このまま、溶け合って二人、混ざり合えればいい。


もどかしいこの皮膚や肉体もふやかして、魂の極みで達して…果てられたら…。

そんな思いで俺は彼女を抱き続けた。


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