【短】俺のモノになりなさい
「もう!いらないならいいです!私が飲んじゃいますからね!」


「くくっははっ…悪い、ごめん。田代、悪かったよ。そんなに怒るなって…ちゃんと貰うから。ほら」


「じゃあ、って、ちょ、なんで腰に手なんか回すんですかー!」



この、子兎は…いろんな意味で反応がいいらしい。



あーぁ。

ちょっと、これは…。


食ってやりたいかもしれない。



「田代ー」


「もう!早くこの手どかしてください!」



ばし!



プンプン怒りながら、俺との距離を置く姿は、まさに「脱兎の如く逃げていく」感じ。

それが、いつもならば少し不快だったのに、何故か今日に限っては愛しく感じて、自分でも戸惑った。

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