【短】俺のモノになりなさい
「たーしーろ」


「そんな甘い声出しても、私からは何も出ませんよ」


「えー…?じゃあ…。た、し、ろ…?」


「っ!いきなりバリトンボイスでなんなんですか!」



危険を察してか、じりじりと俺から遠ざかる彼女。

それを先回りして、距離を縮める俺。



「ちょ、しつちょー…」


「ばぁか。こういう時こそ”野々村さん”、だろ?」


「んぅ…っ」



齧り付くようなキスをすると、閉じた瞳から見える長い睫毛がふるふると震えて、今まで見たことない彼女の色香にゾクゾクした。

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