罪重ね。
小さなこの公園には窓のついている建物は何もなかった。

何処かお店に行くか?でもお金もない。何かショッピングモールみたいなところ…

体調を崩して倒れてしまったら面倒くさいことになる。まだこの時間なら近くのモールなら空いているだろう。

でも、その後は?言ってどうする?夜どうやって過ごす?天候も悪いのにお金もないのに。知らない人に頼み込んでどうにかなるような事でもないだろう。

後のことを考えれば考えるほど自分が生きてる感じがしなくなってきた。

帰る場所も行く場所も何もない。

気がつけば私は泣いていた。

「なんで私生まれてきちゃったんだろ…」

涙も雨と混ざって消えてしまう。

雨の音が耳元でうるさい。

この騒音と共に私の存在も消えてしまえばいいのに。

泣くことしかできない私。

「君、大丈夫…?」

気がつくと傘をさした男の人に話しかけられていた。

「傘は?なんで泣いてるの?」

「家から追い出されて」

直球な質問にデリカシーがないなと思いながらも答える。

私みたいなのに話しかける物好きもいるんだなあ。

「このままだと風邪引くから、君がよかったら家に来ない?」

不審者なのかただの親切なのか男の人はそういった。

普通だったら知らない人についていくなんてことはないだろう。

学校でも親にも散々みんな言われている。

でも私はその人についていくことにした。

だってこの先の私の未来なんて真っ暗なんだから
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