激甘同居の有効期限
意味不明な発言と顔に思わず低い声でそう聞き返す。




「橘空桜。お前の家に明日から住まわせてもらう。よろしくな。」




それだけ言うと逃げるように屋上を後にした桐崎先輩。




「はぁぁぁあああああ?!?!?!?!」




パタンという音と共にあたしが今までの人生で1番大きい声で叫んだ。




「すごーーーい!空桜、桐崎先輩と同居なんてやったじゃん!!」




なぜかウキウキしてるらしいが心萌は無視して考える。




お、落ち着け。まず起こったことを整理しよう。




多分あたしたちが屋上に来た時に寝ていた人が桐崎那稚(きりさき なち)先輩。




あたしたちの会話に入り込んできて、あたしが先輩に興味がないと言ったら、一緒に住もうって言って屋上を出ていってしまった。




━━━━━━え?




「あたしの家なのになんであの人が勝手に決めるの?」




やっと回想が追いつくとイライラが込み上げてくる。




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