激甘同居の有効期限
「こんなの無駄に広いだけで、生活するには逆に不便だよ。」




未だに興奮状態の心萌を視界の端で捉えながら"無駄に多い部屋の使い道もないしね"と言いながら紅茶に口を付ける。




「でもでも!!桐崎先輩と住むことになるんだし、部屋の使い道あって良かったね!!」




「ぶはっ!!」




心萌が急に変な事を言うから思わず紅茶を噴き出してしまった。




"空桜!!汚い!!"なんて呆れた顔でこっちを見てくる心萌を睨み返す。




「いいじゃん!!こんな広い部屋に1人じゃ寂しいよ?」




「そういう問題じゃないの!!何も知らない、しかも男の人と一緒に住むなんて普通出来ないでしょ!?」




呑気な考えで同居を勧めてくる心萌に必死に抗議する。




正直、心萌が言ってることも間違いじゃない。




"1人が寂しい"




多分それは本心で思ってる。




でも、パパもママもあたしはしっかりしてる。1人でも大丈夫。…そう思ってるから期待に応えなきゃ。しっかりしなきゃ。って一生懸命になってる。




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