激甘同居の有効期限
寂しくてもそれは言わないし、言っちゃいけない。




━━━━━あたしは誰にも頼らず、1人で出来るところを見せなきゃいけない。




「…………………………………………ら!………………………空桜!!!!」




すっかり自分の世界に入ってしまっていたあたしの顔を覗き込む心萌。




「え?何?」




慌てて聞き返すと心配そうな顔から、呆れたような怒ったような顔に変わる。




「もう!!!何度も呼んでも全然返事してくれないから怒っちゃったかと思った!!」




「ごめんね。」




"もーいいよ!"そう言った心萌は、空気を変えるように雑誌やテレビの話に切り替えてくれた。




心萌は普段何も考えてなさそうだけど、本当は人一倍相手のことを考えられるとてもいい子だ。




「それじゃぁ、また明日、学校でね!!」




あれから3時間くらいゆっくりした心萌が立ち上がったので玄関まで見送りに行く。




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