君に夢中で


「あの…」

「え…、はい」


「あ、急にすみません
今日高校の入学式ですよね??
遅刻しますよ」


勇気を振り絞って行った言葉が
これだった。


「…ふっ」

彼は鼻で笑った


「それを君が言う?君も入学式でしょ?」


「あっ…」

すっかり忘れてた。
自分も遅刻していることを。


「もしかして忘れてた??面白いね、君」

そう言うと彼は笑い出した。


「君、その制服だと
もしかして桜ヶ丘高校??」

「あっ、はい!あなたは…」


「あー、俺は光坂高校。ここを真っ直ぐ行ったところにあるよ。」


「あ、そうなんですね!」


「うん、そうだよ。
あっ…もう入学式終わっちゃう。早くいかないと。
じゃあ俺はここで。またね!」


そう言うと彼は走って行った。
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